実用英語技能検定(英検)英検の難易度は?各級のレベルや合格率を徹底解説

英検(実用英語技能検定)は、日本でもっとも広く知られている英語資格のひとつです。学生から社会人まで幅広く受験されており、受験・就職・スキルアップなど、さまざまな場面で活用されています。

とはいえ、「どの級が自分に合っているのか」「どれくらいの難易度なのか」がわかりづらいという声もよく聞きます。英検には5級から1級まで7段階があり、級によって求められる英語力や合格率、勉強量が大きく異なります。

ここでは英検の各級の難易度を★5段階でわかりやすく評価しながら、それぞれの特徴や合格に向けたポイントを徹底解説します。初めての英検受験を考えている方も、級選びに迷っている方も、ぜひ参考にしてみてください。

目次
人気
なし
1
2
3
4
5
ある
就・転職
使えない
4級
5級
3級
準2級
2級
準1級
1級
使える
試験難易度
易しい
4級
5級
3級
準1級
2級
準2級
1級
難しい
主な対象者
小中学生
高校生
大学専門
社会人
その他

当サイト独自の見解です

資格種別公的資格(文部科学省後援)
ジャンル語学(英語)
資格区分5級・4級・3級・準2級・2級・準1級・1級
受験資格制限なし(年齢・学歴・国籍などの制限なし、誰でも受験可能)
試験日程年3回(通常:6月・10月・1月)
※CBT方式は毎月実施(会場による)
試験方法筆記試験+リスニング(一部級は面接あり)
紙の試験またはCBT(会場受験)
免除科目一次試験合格後の二次試験(面接)のみ受験
※一次合格は一定期間有効
試験場所全国各地(学校・試験会場)
CBTは指定会場で実施
受験料2,500円〜12,500円(級や会場により異なる)
登録・更新合格後の登録・更新は不要(資格に有効期限なし)
問い合わせ先日本英語検定協会
https://www.eiken.or.jp/

一次試験(筆記+リスニング)

一次試験はすべての級で実施され、主に「読む・聞く・書く」の能力が評価されます。
内容は級によって異なりますが、以下のような構成が基本です。

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試験パート内容例実施される級
語彙・文法語彙・文法知識を問う選択式問題全級
長文読解Eメールや案内文など実用文の読解3級以上で実施
英作文与えられたテーマに対し短い英作文を書く3級以上で実施(4級以下はなし)
リスニング会話や説明文を聞いて選択肢を選ぶ全級(5級は絵も使用)
  • 3級以上はライティング(英作文)あり
  • 準1級・1級では長文の難度が高く、要約や論理的な記述が必要
  • 5級・4級は筆記とリスニングのみ。初学者でも取り組みやすい構成です

二次試験(面接形式)

3級以上の級に合格した場合、次は二次試験=面接があります。
面接官と1対1で英語によるコミュニケーション力を問われる試験です。

試験形式面接(1対1)
所要時間約5〜10分(級により異なる)
出題内容の例短い文章を音読 → 内容に関する質問 → 自分の意見を述べる質問など
評価ポイント発音・流暢さ・文法・内容の一貫性・態度など
  • 3級〜準1級:短いパッセージの音読と、それに関する質疑応答
  • 1級:抽象的なテーマについての意見表明、ディスカッション力が求められる

試験方式(受験スタイルの違い)

従来型(筆記)全国の指定会場で紙の試験用紙を使用し、マークシートに記入
英検CBTパソコンを使用する会場型の試験。
リスニング・リーディング・ライティング・スピーキングを1日で実施
英検S-CBT1技能ずつ個別に評価される形式(スピーキングもPC画面越しに実施)
英検S-Interview面接試験のみを受けられる形式(一次試験合格者対象)

CBT方式は月に複数回実施されるため、従来の3回チャンスに加え、受験の柔軟性が高くなっています。

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対象レベル英語力の目安CEFRとの対応
5級中学初級レベル単語・あいさつ・簡単な文法Pre-A1
4級中学中級レベル簡単な英文の理解とリスニングA1
3級中学卒業程度英作文・基礎的な会話力A2
準2級高校中級〜卒業レベル短いエッセイ・実用的な英語力B1
2級高校卒業〜大学受験レベル社会的な話題の英語運用能力B2
準1級大学中級〜上級レベル高度な語彙・長文読解・英作文力C1
1級大学上級〜ネイティブ並抽象的テーマでの論理的表現力C2

英検には7つの級(5級〜1級)があり、それぞれで求められる英語力や合格基準が異なります。では、どのような要素が難易度を左右しているのでしょうか?以下の4つが主なポイントです。

出題範囲の広さ(語彙・読解・作文・リスニング)

級が上がるごとに、使用される語彙や表現が高度になり、文章の長さや内容の抽象度も増していきます。
特に準1級・1級では、日常英会話を超えて、社会問題や時事、文化、論理的思考を求めるトピックが登場します。

また、英作文(ライティング)も3級以上で課され、準1級・1級では高度な表現力や論理構成が求められます。リスニングでも、話し手の意図をくみ取る能力や長文理解が必要です。

合格点(各級ごとの合格基準)

英検の合否は、各技能(リーディング・リスニング・ライティング・スピーキング)のスコアを基に判定されます。
全級共通で「CSEスコア」という指標が導入されており、合格に必要な基準スコアをすべての技能でクリアすることが求められます。

合格基準のCSEスコア例(目安)
3級各技能で 550〜600点以上
準1級各技能で 700〜750点以上
1級各技能で 850点以上
  • 実際の基準点は年度や形式により若干変動することがあります。

二次試験の有無・面接の内容

3級以上の級では、**面接形式の二次試験(スピーキングテスト)**が課されます。これが英検の難易度を一段と高めるポイントです。

  • 3級〜2級:音読+内容理解+簡単な意見表明
  • 準1級:要約力と理由を添えた主張が求められる
  • 1級:時事や抽象的テーマに関するスピーチと質疑応答

英検の面接は評価基準が明確で、「発音」「内容の一貫性」「表現の豊かさ」など、総合的な英語運用力が問われます。

CEFRとの対応(グローバル基準との比較)

英検は、国際的な英語力指標であるCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)と対応しています。
これにより、英検の級がどの程度の英語力を示すのか、TOEFLやIELTS、TOEICといった他の試験とも比較が可能になります。

英検級対応CEFRレベルグローバル基準での位置付け
3級A2基礎レベル(初歩的な会話・理解)
2級B2実用レベル(仕事や学業で使用可)
1級C2ネイティブ同等の運用力

CEFRでのレベル比較は、英検の信頼性や国際的価値を示す重要な要素です。

これらの要素をふまえると、英検は「級が上がるごとに単純な語彙力だけでなく、思考力や表現力まで問われる、非常にバランスの取れた試験」であることがわかります。

各級の平均合格率(目安)

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一次試験合格率二次試験合格率総合合格率(参考)難易度の印象
5級約80〜85%試験なし約80〜85%入門レベル
4級約70〜80%試験なし約70〜80%初級者向け
3級約50〜60%約85%約40〜50%中学卒業の力が必要
準2級約40〜50%約80〜85%約35〜40%高校生に人気
2級約25〜35%約80%約20〜30%難関高校・大学受験層
準1級約15〜25%約70〜80%約12〜20%上級英語学習者
1級約10〜15%約60〜70%約7〜10%超難関(社会人・専門層)
  • あくまで目安であり、年度・形式(CBTなど)により変動します。

受験者層と難易度のバランス

英検は小学生から社会人まで幅広い年齢層が受験していますが、級によって受験者の傾向が異なります。

  • 5級〜3級:中学生・高校生の初級者が中心。学校単位での受験も多く、合格率も比較的高い。
  • 準2級〜2級:高校生〜大学受験生が多く、進学・就職対策で選ばれる。合格には一定の準備が必要。
  • 準1級:大学生〜社会人の受験が多く、ビジネスや海外留学を視野に入れる層に人気。
  • 1級:英語教員・通訳・翻訳者など、専門職志望者が中心。合格率は1割未満で、英語力に加えて時事知識や論理力も必要。

難易度と合格率のギャップにも注意

たとえば「準2級」は学生にとって目標としやすい人気の級ですが、実は読解・作文・面接のバランスが難しく、思ったより苦戦する人も多い級です。
逆に「3級」は初めての面接が不安でも、面接の採点は比較的寛容で、丁寧に話せば高得点を狙えるとも言われています。

そして「1級」は非常に狭き門。合格率は10%前後で、受験回数を重ねるベテラン受験者も多く、語彙レベルは英単語帳の最上級レベル(12,000語以上)が必要とされます。

POINT
  • 難易度は単なる語彙数や文法だけでなく、バランスよく4技能を身につけているかが問われます。
  • 特に準1級・1級は、「読む・書く・話す」のアウトプット力が重要になります。

英検は級によって難易度や出題形式が大きく異なるため、合格に必要な勉強時間や対策方法も変わってきます。
ここでは、各級での学習時間の目安と、合格に向けた効率的なステップをご紹介します。

各級に必要とされる学習時間の目安(未学習者〜初学者の場合)

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必要学習時間の目安対象者・学習内容の例
5級約30〜50時間英単語・あいさつ・中学英文法の基礎
4級約50〜70時間簡単な英文読解・リスニングの強化
3級約80〜120時間英作文・基礎会話・音読練習
準2級約150〜200時間実用英語表現・エッセイ構成・長文読解
2級約200〜300時間ニュース文・ビジネス表現・面接対策
準1級約400〜500時間難解な語彙・時事英語・論理的作文・要約力
1級約500〜700時間以上抽象的テーマの討論・高難度語彙・時事問題対応
  • 学習済みの人は短縮可能。学校の英語授業や受験対策と併用すればさらに効率UP。

難関級(準1級・1級)はどれくらい大変か?

準1級では「新聞・雑誌レベルの読解」「抽象的なテーマでの英作文」「社会問題を論じる面接」など、受験英語を超えた運用力が必要になります。
1級はさらに上で、「時事問題に対する自分の意見」「高度な論理展開」「ネイティブレベルの語彙」が求められます。

  • 目安語彙数:1万2000語以上
  • 合格者でも「3〜4回受験してようやく合格」という声も多い

準1級・1級を目指す場合は、日常的な英語接触(英字新聞・洋書・Podcastなど)も効果的です。

合格に向けたステップと対策法

① 目標級の出題傾向を理解する

  • 過去問や公式ガイドで、試験の構成・時間・問題形式をチェック
  • 苦手な技能(例:英作文、面接)を早めに把握しておく

② 教材選び(おすすめタイプ)

  • 単語帳(例:英検◯級でる順パス単)で語彙を先に固める
  • リスニングCD・YouTubeで耳慣れを作る
  • 英作文用のテンプレート集や添削アプリを活用

③ 模試&過去問で実戦力を強化

  • 本番と同じ形式で時間を測って解く(特にライティング・リスニング)
  • 自己採点で弱点を可視化 → 集中対策

④ スピーキング(面接)の練習

  • 音読&録音→自分の話し方を客観視する
  • オンライン英会話や面接対策本を活用
  • 1人でもできる「シャドーイング」も効果的

英検の合格には、単語暗記や文法理解だけでなく、「本番形式での演習」や「アウトプット力の強化」がカギになります。
特に準1級以上は長期戦になることもあるため、無理のない学習スケジュールを立て、焦らずじっくり取り組みましょう。

おすすめの教材リスト

英検◯級 でる順パス単(旺文社)

  • 対応級:5級〜1級
  • 特徴:英検に頻出する語彙を「でる順」に整理した単語帳
おすすめポイント

過去問分析に基づいており、語彙対策に最適。アプリ連携や音声も充実
👉 語彙力アップの王道教材!

英検◯級 過去6回全問題集(旺文社)

  • 対応級:5級〜1級
  • 特徴:最新6回分の本試験問題+解答解説を収録
おすすめポイント

本番と同じ形式の問題で演習できる。出題傾向の確認に最適
👉 実戦力をつけるならまずこれ!

英検◯級 予想問題ドリル(成美堂出版 など)

  • 対応級:3級〜準1級あたりが特に充実
  • 特徴:本番形式に近い問題を多数収録。解説もわかりやすい
おすすめポイント

時間配分の練習や苦手克服に◎
👉 仕上げや模試代わりにピッタリ!

英検◯級 ライティング大特訓(旺文社 or アルク)

  • 対応級:3級〜1級
  • 特徴:英作文の型・語彙・構成などを学べる専門書
おすすめポイント

テンプレート付きで初心者にも使いやすい。模範解答も豊富
👉 ライティングが不安な人におすすめ!

英検は英語力を客観的に証明できる資格として、進学・就職の両面で評価される場面が増えています。

学歴・職種で評価される級の例

  • 高校・大学受験:3級〜準2級を評価対象とする学校が多数
  • 大学入試改革対応:英検2級以上が「英語外部検定利用入試」で加点・判定材料に
  • 就職活動:英検2級以上で応募要件を満たす企業もある(特に外資系や観光業界)
  • 英語関連職(通訳・教員・翻訳など):準1級〜1級が評価される指標となることも

大学入試・推薦への活用

  • 文部科学省の「英語4技能」評価制度の一環として、英検のスコア提出が可能
  • 英検CBTでのスコアも認定され、推薦入試や総合型選抜で加点対象になる大学が多数
  • 特に私立大学や国際系学部では、英検準2級〜2級以上が事実上の受験資格になることも

企業での英語力評価指標としての英検

  • 英検はCEFR対応しているため、TOEICやTOEFLと比較しやすい
  • 社会人にはTOEICが主流だが、英検準1級・1級はアカデミックかつ実践的で高評価
  • 教育・出版・通訳など英語の専門職では、英検の級そのものが実力証明として使われることも
英検準1級とTOEIC800点ではどちらが難しい?

用途が異なるため一概に比較はできませんが、準1級は「読む・書く・話す・聞く」の4技能をバランスよく問われるため、アウトプット力が問われる点で難しいと感じる人も多いです。
TOEIC800点はリスニング・リーディング中心なので、「実戦的な英語力=準1級」の評価もあります。

社会人が取得して意味があるのは何級?

2級以上であれば、履歴書や就職活動に十分活用できます。特に準1級以上は「高い英語運用能力」の証明となり、英語を使う職種では差別化につながります。

何級から履歴書に書ける?

一般的には2級以上が望ましいとされます。ただし、業界・応募先によっては準2級や3級でも「努力の証」として評価される場合もあります。
学生の場合は学年相応より上の級であれば十分アピール材料になります。

英検の難易度は、「何級が簡単か/難しいか」だけではなく、自分の現在の英語力と目的によって大きく変わります。

「就職で英語をアピールしたい」「留学に向けて準備したい」「英語学習の達成度を測りたい」など、自分の目標を明確にし、ステップアップ型で級を選ぶことが成功への近道です。

焦らず、一歩ずつ、自分に合ったペースでチャレンジしていきましょう。

資格を広めてくれると嬉しいです☆彡
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