
英語を学ぶ子どもたちにとって、力試しとして受けやすい検定が増えています。その中でも近年注目されているのが「JET(ジュニア・イングリッシュ・テスト)」です。JETは、10級から始まる段階式のスコア型英語テストで、小学生や中学生が自分の英語力を客観的に把握できる検定として人気を集めています。
しかし、JETにはどれくらいの難易度があるのか、英検Jr.や英検とどう違うのか、受ける級をどう選べばよいのか分かりづらいという声も少なくありません。
この記事では、JETの試験内容や難易度の目安、他の英語検定との比較、効果的な対策方法までを詳しく解説します。お子さまに合った英語検定選びの参考にしてください。
JETの概要
当サイト独自の見解です
資格種別 | 語学(英語)系検定試験 |
---|---|
ジャンル | 児童・中学生向け英語スコア型テスト |
資格区分 | 任意受験型・民間資格(スコア評価/級設定あり) |
受験資格 | 制限なし(主に小学生〜中学生を対象) |
試験日程 | 年2回(例:6月・11月)※団体申込制(学校・塾単位)※実施日は申込団体が設定 |
試験方法 | 紙ベースの筆記試験(マークシート式)・リスニングとリーディングの2技能 |
免除科目 | なし(すべての受験者が共通問題) |
試験場所 | 各団体が設定する会場(学校・塾・英語教室など) |
受験料 | 約2,000円〜3,000円前後(級により異なる)※2024年時点での一例:10級〜6級:2,200円/5級〜1級:2,750円(税込) |
登録・更新 | 登録・資格更新なし(検定結果はスコア形式で一回ごとに完結) |
問い合わせ先 | 一般財団法人 日本国際教育支援協会(JESC)JET公式サイト |
JETの試験内容
試験はリスニングとリーディングの2技能で構成されており、マークシート形式で実施されます。
試験は10級から1級までの全10段階で、低学年から上級生まで段階的にチャレンジできる設計です。
リスニング(聴解)
- 全体の約6割を占める中心パート
- 音声を聞いて、イラストや内容に合った選択肢を選ぶ
- 会話文・指示・質問など、実生活に近い場面を想定
- 下位級では単語・フレーズ中心、上位級では会話や物語も出題
リーディング(読解)
- 語句や短文の意味を問う問題が中心
- アルファベットや基本語彙の識別(初級)から、短い文章の理解(上級)まで段階的に構成
- 上位級では簡単な読解や内容理解、整序問題なども登場
出題形式と試験時間の目安
項目 | 内容 |
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試験形式 | マークシート方式(すべて選択式) |
所要時間 | 約40〜50分(リスニング+リーディング合計) |
合否 | なし(100点満点のスコア評価) |
JETは、英語の学力を正確に「見える化」できる検定として、英語学習の到達度を段階的に確認するのに最適です。
英検や英検Jr.との比較(JETとの違い)
JETは「スコア型の成績評価」「小刻みな級設定」などが特徴ですが、よく比較されるのが英検(実用英語技能検定)や英検Jr.(ジュニア向け英語試験)です。以下では、それぞれとの違いを詳しく見ていきます。
英検(5級〜)との違い
項目 | JET | 英検(5級) |
---|---|---|
対象年齢 | 小学生〜中学生 | 小学生〜高校生・大人まで |
合否 | なし(スコア評価) | あり(合否判定あり) |
試験構成 | リスニング+リーディング(2技能) | リスニング+リーディング(2技能) |
試験形式 | 選択式・スコア制 | マークシート+合否判定 |
特徴 | 実力測定・段階式(10〜1級) | 資格認定・中高生向け |
英検Jr.との違い
項目 | JET | 英検Jr. |
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対象年齢 | 小学生〜中学生 | 幼児〜小学生(低学年向け) |
級の数 | 10級〜1級の10段階 | Bronze/Silver/Goldの3段階 |
試験内容 | リスニング+読解(読文字あり) | リスニングのみ(絵+音声) |
合否 | なし(スコア制) | なし(スコア制) |
難易度範囲 | 広い(上位級は英検5級以上のレベルも) | 入門向け・やさしめ |
難易度を乗り越えるための対策方法
JETは合否のないスコア制テストで、リスニングとリーディングをバランスよく評価します。そのため、単なる暗記ではなく、「英語を聞いて理解し、読んで内容をつかむ力」を日頃から育てることがポイントです。
リスニング対策は毎日の“耳慣らし”から
JETではリスニングの配点が全体の6割程度を占めており、音声の理解がスコアに直結します。日常的に英語の音に触れることで、無理なく耳を鍛えることができます。
おすすめの取り組み:
- 英語の絵本CDや動画を毎日5〜10分聞く(例:Peppa Pig、Doraなど)
- 英語のあいさつや簡単なフレーズを親子で会話してみる
- 試験形式に近いリスニング問題で練習する
読解対策は「文のかたまり」に慣れる
低級では単語や短い文の理解が中心ですが、上位級になると簡単な会話文や説明文の読解が登場します。語彙だけでなく、文全体を理解する力が求められます。
対策ポイント:
- 英語の絵本や児童向け短文を繰り返し読む
- 「Who」「What」「Where」などの質問文に慣れる
- 学校英語の教科書内容とリンクさせて学習する
模擬問題や過去問で試験形式に慣れる
JETではすべて選択式ですが、独特の出題パターン(イラスト+音声、文完成など)があります。公式または塾教材の模擬問題集で事前に形式に慣れておくことで、本番の安心感が大きく変わります。
活用教材の例:
- JESC公式模擬問題(団体受験申込者に配布)
- 英語教室・塾で配布される対策ワーク
- 英検Jr. Goldや英検5級のリスニングも一部活用可能
ステップアップ戦略を立てる
いきなり上位級に挑むよりも、まずは自信を持って取り組める級から受験することが大切です。80点を目安に「次の級へ進む準備ができている」と判断できます。
どんな子におすすめ?
JETは、「英語を少しずつ学んできたけれど、いきなり英検はまだ早いかも…」という子どもに最適な検定です。10級から1級まで細かくレベル分けされているため、年齢や学習歴に応じて無理なくチャレンジできるのが大きな魅力です。
以下のような子には特におすすめです:
- 英語教室に1年以上通っている小学生
- 英検Jr. Goldを終えた後の「次のステップ」として
- 学校や塾で英語に触れる機会が増えた子
- 合否のプレッシャーなく、自分の英語力を確認したい子
- 段階的にモチベーションを保ちたい中学生初級レベルの学習者
また、JETは保護者や先生にとっても、子どもの英語到達度を数値で把握しやすい検定なので、今後の学習指導の参考にもなります。
よくある質問(FAQ)
まとめ
JETは、小学生や中学生が自分の英語力を無理なく確認できるスコア型の英語検定です。10級から1級まで段階的に用意されており、英語のリスニングと読解力をバランスよく測定できます。
合否がないためプレッシャーなく取り組め、英検Jr.や英検5級への橋渡しとしても最適です。「試験=こわい」というイメージを持たせず、英語を学ぶ楽しさと成長を感じさせてくれるテストと言えるでしょう。
英語学習の習熟度に応じて受験級を選びながら、子ども自身のモチベーションアップや保護者の学習サポートにも役立つJET。ぜひ次のステップとして取り入れてみてください。