IELTSは難しい?合格目安・TOEFLや英検との比較も徹底解説

海外の大学や大学院への進学、さらには移住や就労ビザの取得を目指す際に、求められることが多いのが「IELTS(アイエルツ)」という英語試験です。
しかし、英語学習者のあいだでは「TOEICより難しい」「英検1級よりも歯ごたえがある」といった声も多く、実際の難易度が気になっている方も多いのではないでしょうか?

本記事では、IELTSの構成やスコアの仕組みを紹介しながら、「実際どれくらい難しいのか?」を中心に解説していきます。
さらに、TOEFLや英検など他試験との比較、各セクションごとの難易度、スコアごとのレベル感まで詳しく掘り下げ、これから受験を考えている方にとって、戦略的な学習の足がかりとなる情報をお届けします。

目次
人気
なし
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3
4
5
ある
就・転職
使えない
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3
4
5
使える
試験難易度
易しい
1
2
3
4
5
難しい
主な対象者
小中学生
高校生
大学専門
社会人
その他

当サイト独自の見解です

資格種別語学資格(英語4技能評価試験)
ジャンル語学・留学・海外移住
資格区分公的認定資格ではないが、国際的に広く認知されたスコア証明
受験資格年齢制限なし(誰でも受験可能)
試験日程年間を通じて複数回開催(週1〜2回実施される地域も)
試験方法– コンピューター版(CBT)またはペーパー版(PBT)を選択可能- Listening/Reading/Writing(同日)+Speaking(前後1週間以内の別日)実施
免除科目なし(4技能すべて受験必須)
試験場所全国主要都市にある公式テストセンター(例:東京・大阪・名古屋・福岡など)
受験料約25,000〜29,400円(税込) ※実施機関により異なる
登録・更新スコア有効期限は2年間。資格更新は不要だが、2年以上経過したスコアは原則使用不可
問い合わせ先【IDP】https://ieltsjp.com/(IDP公式)
【British Council】https://www.britishcouncil.jp/exam/ielts(英国内務省公認団体)

IELTS(International English Language Testing System)は、イギリス、オーストラリア、カナダなどの英語圏への留学・移住・就労ビザ申請の際に求められる、英語4技能(聞く・読む・書く・話す)を総合的に評価する試験です。年間300万人以上が受験する、世界的に信頼されている英語試験のひとつです。

試験は「Academic(進学用)」と「General Training(移住・就労用)」の2種類があり、目的に応じて選択します。すべてのセクションが1.0〜9.0のバンドスコアで評価され、最終的には4技能の平均値が「総合スコア(オーバーオール)」として算出されます。

受験形式は「コンピューター(CBT)」と「ペーパー(PBT)」の2種類から選択でき、試験時間は約2時間45分。リスニング・リーディング・ライティングは同日にまとめて実施され、スピーキングは前後1週間以内の別日で行われるのが一般的です。

TOEFLと並んで海外大学での評価が高く、特に英・豪・加系の大学ではIELTSが主流。日本国内でも近年、進学・留学希望者や永住権申請予定者を中心に受験者数が増加しています。

ELTSは、TOEICや英検と比較しても「難しい」と言われることが多い試験です。
その理由は、単なる語彙力や読解力だけではなく、実際に英語を使いこなす「運用力」が問われるためです。
ここではIELTS全体の難易度や、スコア別のレベル感について詳しく見ていきましょう。

セクション全体の難しさ

1. リスニング

リスニングでは、英語ネイティブの自然なスピードで話される音声が出題されます。特にイギリス英語・オーストラリア英語・ニュージーランド英語などの訛りが苦手な日本人受験者にとっては大きな壁となります。また、問題を聞きながら設問を読み、正解を素早く記入するマルチタスク力も求められます。

2. リーディング

リーディングはTOEICよりも文章が長く、語彙も難解です。特にAcademicモジュールでは学術的なトピックが多く、科学・歴史・社会問題など幅広いジャンルから出題されます。限られた時間内に3つの長文を読み切り、設問に正確に答えるには、相当な読解スピードと要約力が必要です。

3. ライティング

ライティングは2問(Task 1とTask 2)から構成されます。Task 1では図表やデータを分析・説明し、Task 2では社会問題について自分の意見を論理的に展開する必要があります。与えられたトピックに対し、明確な構成・文法・語彙を駆使して文章を組み立てる力が求められ、日本人受験者の多くが苦戦するセクションです。

4. スピーキング

スピーキングは1対1の面接形式で、試験官と直接英語で会話を行います。事前準備ができない即興回答力が問われるうえ、緊張しやすい人にとってはハードルが高く感じられます。また、「話し続ける力」や「意見の深さ」「自然な表現力」が評価の基準となっており、発音や流暢さだけでは不十分です。

スコアごとの難易度・レベル感

IELTSのスコアは1.0〜9.0の「バンドスコア」で評価され、合格・不合格という判定はなく、各国・各大学が設定したスコア基準を満たせばOKという形式です。

以下に、一般的なバンドスコアと対応する英語レベル感を表で示します。

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バンドスコアレベル目安英検相当TOEIC相当(目安)
9.0〜8.5熟練者(ネイティブ並)1級950点以上
8.0〜7.5上級者準1級〜1級870〜940点程度
7.0〜6.5中上級者準1級730〜860点程度
6.0〜5.5中級者2級600〜700点程度
5.0〜4.5初級者3級相当500点未満

たとえば、イギリスやオーストラリアの大学では「IELTS 6.5〜7.0」が出願基準となることが多く、相応の準備が必要です。
また、カナダ移住などで求められる「General Training」でもCLB7〜9(=IELTS 6.0〜7.0相当)が必要とされることが多く、単なる日常英会話力では太刀打ちできない点が難しさの一因です。

このように、IELTSは試験内容・スコア評価ともに高い実用英語力が求められるため、英検やTOEICで高得点を取った経験があっても、「初見で7.0以上」はかなり厳しい試験です。
その分、しっかり対策すれば世界中で通用する英語力の証明になる点が、IELTSの魅力でもあります。

英語試験と一口にいっても、IELTS・TOEFL・英検・TOEICなど、目的や内容が異なる多様な選択肢があります。
ここでは、特に混同されやすいTOEFL、英検、TOEICと比較しながら、IELTSの特性と難易度の違いを見ていきましょう。

IELTS vs TOEFL

共通点

  • どちらも「4技能(読む・聞く・書く・話す)」を総合的に測定
  • 主に留学や進学目的で使われる
  • スコア制で評価(TOEFLは120点満点、IELTSは9.0満点)
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観点IELTSTOEFL
試験形式紙ベース or コンピュータ+対面面接あり原則コンピュータ(すべてPC上で完結)
スピーキング試験官と1対1の面接パソコンに向かって録音形式
英語の種類イギリス英語・オーストラリア英語が多いアメリカ英語が中心
採点傾向英語の「自然さ」「実用性」を重視ロジックや構成、形式的な正確さを重視

IELTSは人とのやりとりがある分、実践的な英語力が問われる反面、対面面接がプレッシャーになる人もいます。TOEFLは全てPCで完結できるため、「人前で話すのが苦手」な人にはやや取り組みやすいかもしれません。

IELTS vs 英検

共通点

  • 日本国内で知名度が高い(英検)・近年認知が広がる(IELTS)
  • 進学や就職の英語力証明として活用できる

違い

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観点IELTS英検
試験内容4技能すべてを1日で受験1次試験(R/L)+2次試験(S)分離形式
スコア制バンドスコア(1.0〜9.0)合否制+CSEスコア
実用性国際評価高い、移住・留学向き国内重視、推薦入試・就活向き

英検は長年日本で使われてきた信頼のある資格ですが、海外の大学や移住申請では通用しない場合が多いです。IELTSは国際的に通用するぶん、試験も実践的でシビアです。特にライティング・スピーキングでは、英検準1級合格者でもIELTS 6.0〜6.5に届かないことがあります。

IELTS vs TOEIC

共通点

  • 受験者数が多い(特にTOEICは日本のビジネス英語基準)
  • スコアによる実力判定(TOEICは990点満点)

違い

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観点IELTSTOEIC
測定技能4技能基本的に2技能(R/Lのみ)
試験目的アカデミック用途、留学・移住向けビジネス英語力の証明
実用性海外評価高、4技能が求められる日本企業内での利用が多い

TOEICは特に「聞く・読む」に偏ったテストであり、スピーキング・ライティング力を証明したい場合は「TOEIC S&W」またはIELTSやTOEFLの方が適しています。IELTSの方が総合的な英語運用力が求められ、難易度も高めです。

IELTSはリスニング・リーディング・ライティング・スピーキングの4技能を総合的に測る試験です。
それぞれのセクションには特徴があり、日本人学習者がつまずきやすいポイントも異なります。
ここでは、各パートの難易度と効果的な対策法を詳しく解説します。

リスニング:訛りとスピードへの対応力が問われる

難易度の特徴
  • 音声はすべてネイティブスピーカーの自然な会話で進行され、特にイギリス英語・オーストラリア英語・ニュージーランド英語の訛りが頻出します。
  • ノートテイキングをしながら設問を読み取り、同時に答えを記入するマルチタスク能力が求められます。
対策法
  • 英語ポッドキャストやBBCなど、英・豪系の発音に慣れる教材を活用。
  • シャドーイングやディクテーションで「聞く力+構文の理解力」を並行強化。
  • 模試を繰り返し解き、設問のパターンに慣れておく。

リーディング:語彙力・スピード・精読力すべてが必要

難易度の特徴
  • 3つの長文(1パッセージ約800〜900語)を60分以内に読み、合計40問に答える必要があり、時間との戦い。
  • 特にAcademic版は専門的な話題や抽象的なテーマが多く、語彙も難解。
対策法
  • 新聞・論文・経済誌などの「硬い文章」を読む習慣をつける。
  • スキャニング(キーワード探し)とスキミング(概要把握)の技術を意識的に練習。
  • 分からない単語を「意味推測」しながら読む練習を重ね、辞書に頼りすぎない読解力を養う。

ライティング:最難関。構成力と論理力がカギ

難易度の特徴
  • Task1(図表・グラフの説明)、Task2(エッセイ)いずれも「自由記述式」で完全オリジナルな英文が求められる。
  • 文法ミス・語彙の単調さ・論理の飛躍があると、バンドスコアが大きく下がる。
対策法
  • まずは「テンプレート」による型の習得(例:序論→理由→対比→結論)
  • 英語エッセイの模範解答を「模写」し、文構成・表現パターンを吸収する
  • 書いたものは第三者の添削(オンライン英語サービスなど)で客観的に改善
  • 語彙のバリエーション(synonyms)を増やし、同じ言葉を繰り返さない工夫も重要

スピーキング:即興力と対話力が試される1対1面接

難易度の特徴
  • 日本人にとって最も緊張するセクション。試験官と1対1で英語面接を行い、スモールトーク→スピーチ→ディスカッションと進行。
  • 即興性・意見の一貫性・語彙の自然さなど、多面的に評価される。沈黙や単語の繰り返しがマイナスに働くことも。
対策法
  • 頻出トピック(趣味・旅行・教育・健康など)を使ってスクリプトを暗記→応用力をつける
  • スマホで録音し、自分の発音・話し方の癖を客観的に確認
  • 英語での即興スピーチ練習(1分トーク練習)を日課にする
  • オンライン英会話で実際の会話練習を通じた慣れが非常に効果的

セクションごとのバランスがスコアアップの鍵

IELTSでは、1つの技能が高得点でも、他が低ければ総合スコア(オーバーオール)は伸びません。
バランスよく4技能を伸ばすことが、6.5〜7.0以上を安定して狙うためのポイントです。

IELTSを初めて受験する方にとっては、形式や難易度の高さに戸惑うことも多いでしょう。ここでは、特に初心者が気をつけたい3つのポイントを紹介します。

1. 日本語訳に頼りすぎない

IELTSでは、「英語で聞いて、英語で考え、英語で答える」スピード感が求められます。和訳を挟んで理解しようとすると、時間が足りなくなるため、英語のまま理解する思考回路を意識的に鍛えることが重要です。

2. 模試だけで満足しない

模試の繰り返しは大切ですが、単に問題を解くだけでは実力は伸びません。間違えた原因の分析・苦手分野の反復・語彙と文法の強化を徹底し、弱点を潰すことがスコアアップにつながります。

3. 試験本番は「体力勝負」

IELTSは試験時間が長く、集中力と精神力も必要です。リスニングからライティングまで続けて受けることで疲労がスピーキングにも影響することがあります。本番を想定した「時間を区切った演習」で体力と集中力を鍛えておくことも忘れずに。

IELTSでスコアを伸ばすには、自分の現在地を知り、苦手を補う戦略的な学習が必要です。
ここでは、初心者〜中級者におすすめの参考書を3つ紹介しながら、それぞれの活用法とともに勉強法を解説します。

IDP Education IELTS公認問題集

著:IDP Education, 著:イングリッシュイノベーションズ株式会社
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IELTS試験の運営団体のひとつであるIDP Education公式の問題集。本番形式に完全準拠しており、リスニング・リーディング・ライティング・スピーキングすべてのセクションを本番さながらに体験できます。

ライティング・スピーキングも怖くないIELTS完全対策

著:歳岡冴香, 監修:大阪大学国際教育交流センター
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スピーキングとライティングに特化した対策本。日本人がつまずきやすい2技能について、採点基準に沿った丁寧な解説と豊富な練習問題が特徴です。

IELTS実践トレーニング

著:木村ゆみ, 著:吉田佳代
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4技能すべてに対応したバランス型教材。ステップ形式でレベルアップできる構成が特徴で、文法・語彙の強化にも役立ちます。

IELTSとTOEFL、どちらを受けるべき?

留学先がアメリカ中心ならTOEFL、イギリス・オーストラリア・カナダならIELTSが主流です。
また、スピーキングが対面式なのがIELTS、PC録音式なのがTOEFLと大きな違い。話すのが得意な人はIELTS、苦手な人はTOEFLが向いている場合もあります。

IELTSのスコアには有効期限がある?

はい、原則2年間です。出願時に有効期限内である必要があるため、受験タイミングには注意しましょう。

どのくらいのスコアで「英語ができる」と言える?

一般的に6.5〜7.0以上で「海外大学進学レベル」、7.5以上で上級者レベルとされています。日常会話なら5.5〜6.0でもある程度対応できますが、アカデミックな場では6.5以上が目安になります。

IELTSは英語4技能を総合的に測る国際的な試験であり、スピーキングやライティングの即興性・論理性が求められるため、他の英語試験に比べて難易度は高めです。
しかし、その分「使える英語力」を客観的に証明でき、海外留学・移住・就労といった目的において、非常に強い武器となります。

初めての受験では不安もあるかもしれませんが、自分のレベルに合った教材を使い、弱点を明確にして1つずつ克服していくことが、確実なスコアアップへの近道です。
難しい=不可能ではありません。IELTSの本質と向き合い、目的に合わせた準備を積み重ねれば、目標スコアの達成は十分可能です。

資格を広めてくれると嬉しいです☆彡
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