
国際社会への関心が高まる中で、国連英検は国際的な問題意識や英語力を客観的に証明できる資格として人気を集めています。しかし、実際どれくらいの難易度で、取得するメリットはどこにあるのでしょうか?本記事では、国連英検の各級の難易度、勉強時間、合格率、対策法まで詳しく解説していきます。
国連英検の概要
当サイト独自の見解です
資格種別 | 民間資格 |
---|---|
ジャンル | 語学・国際理解 |
資格区分 | 特A級、A級、B級、C級、D級、E級 |
受験資格 | 年齢・学歴など制限なし |
試験日程 | 年2回(春季:5月頃、秋季:10月頃) |
試験方法 | 筆記試験(特A級・A級は面接も実施) |
免除科目 | なし(全級とも免除制度なし) |
試験場所 | 全国主要都市(東京、大阪、名古屋、札幌、福岡など) |
受験料 | 特A級:10,000円、A級:8,500円、B級:6,500円、C級:3,700円、D級:3,200円、E級:2,700円(※2024年度現在) |
登録・更新 | 資格の更新制度はなし(取得後、永久有効) |
問い合わせ先 | 公益財団法人 日本国際連合協会 国連英検事務局 |
国連英検とは?
国連英検とは、公益財団法人日本国際連合協会が実施している英語検定試験です。正式名称は「国際連合公用語英語検定試験」で、略称として「国連英検」と呼ばれています。
英語能力の測定に加え、国際問題や世界情勢に対する理解力を問うことが特徴です。単なる語学力を試すだけではなく、国連や世界の政治・経済・社会問題など、時事的なテーマへの知識や関心も評価されます。
試験は難易度別に「特A級」「A級」「B級」「C級」「D級」「E級」の6段階が設けられており、特A級とA級では筆記試験に加えて面接試験も課されます。特A級は外交官や外資系企業で活躍できるほど高い難易度を誇り、国際的な仕事を目指す方に特に人気です。
TOEICや実用英語技能検定(英検)とは異なり、国際情勢や世界の問題を理解することを目的とした独自の性質を持つため、英語力に加えて幅広い視野や知識を身につけたい人に最適な資格です。
各級の試験内容と難易度
国連英検は「特A級・A級・B級・C級・D級・E級」の6段階に分かれています。各級ごとに試験内容や求められるレベル、難易度が異なるため、以下で詳しく解説します。
特A級
試験内容:
- 筆記試験(英作文、読解、要約、時事問題に関する論述)
- 面接試験(英語でのスピーチおよび質疑応答)
求められる英語レベル:
- 外交官・国際公務員レベル
- 高度な英語運用能力に加え、国際情勢や外交政策について専門的な知識が必要。
合格率目安:5~10%(非常に難関)
目安の学習時間:400~500時間以上(半年~1年以上)
A級
試験内容
- 筆記試験(エッセイ、英文読解、時事問題に関する知識)
- 面接試験(英語での質疑応答)
求められる英語レベル:
- 大学院卒業レベル
- 国際ニュース、社会問題を分析できる知識と英語力を必要とする。
合格率目安:15~20%(難関)
目安の学習時間:250~350時間(半年程度)
B級
試験内容:
- 筆記試験(読解、英作文、時事問題に関する基本的知識)
求められる英語レベル:
- 大学卒業レベル
- 日常的な国際ニュースを理解し、説明できるレベル。
合格率目安:30~40%(中程度)
目安の学習時間:150~200時間(3~4か月)
C級
試験内容:
- 筆記試験(リーディング、基礎的な英作文、基本的な国際時事問題の理解)
求められる英語レベル:
- 高校卒業レベル
- 基礎的な英語力で日常的な国際ニュースを理解できること。
合格率目安:50~60%(標準的)
目安の学習時間:約100時間(2~3か月)
D級
試験内容:
- 筆記試験(基礎的な文法・語彙・短文読解)
求められる英語レベル:
- 高校初級レベル(英検準2~3級相当)
- 英語学習の初心者でも受験可能な難易度。
合格率目安:70~80%(易しい)
目安の学習時間:約50時間(1~2か月)
E級
試験内容:
- 筆記試験(中学校レベルの文法・語彙・簡単なリーディング)
求められる英語レベル:
- 中学修了レベル(英検3~4級相当)
- 基礎的な英語力を確認する入門的な内容。
合格率目安:80~90%(非常に易しい)
目安の学習時間:30~50時間(1か月)
級 | 目安レベル | TOEIC相当 | 英検相当 |
---|---|---|---|
特A級 | 外交官・専門職レベル | 950点以上 | 1級以上 |
A級 | 大学院卒業レベル | 850~900点 | 準1級~1級 |
B級 | 大学卒業レベル | 750~850点 | 2級~準1級 |
C級 | 高校卒業レベル | 600~700点 | 準2級~2級 |
D級 | 高校初級レベル | 450~550点 | 3級~準2級 |
E級 | 中学修了レベル | 300~400点 | 4級~3級 |
年度別の受験者数と合格率の傾向
国連英検(国際連合公用語英語検定試験)の受験者数や合格率に関する詳細な年度別統計は、公式には公表されていません。しかし、各級の難易度や合格者の傾向については、いくつかの情報が明らかになっています。
傾向と対策
国連英検は、英語力だけでなく、国際問題や時事問題に対する深い理解が求められる試験です。特に上位級では、国際的な視野と専門的な知識が必要とされます。そのため、受験者は英語のスキルだけでなく、国際情勢や国連の活動についても学習することが重要です。
また、合格者の多くが他の英語資格(英検やTOEIC)を取得していることから、これらの資格を通じて英語力を高めた上で国連英検に挑戦するのも一つの戦略です。特に特A級やA級を目指す場合は、英検1級やTOEIC高得点を取得してからの受験が推奨されます。
おすすめの勉強法と必要勉強時間
国連英検対策では、英語力に加え国際情勢への知識が不可欠なため、日常的にCNNやBBCなどの国際ニュースを視聴し、時事問題への理解を深めることが効果的です。ニュースを英語で視聴することで、リスニング力と同時に語彙力・表現力も向上します。
また、試験対策では過去問を中心としたアウトプット学習が重要です。特に国連英検は、試験特有の問題形式に慣れることが合格への近道です。公式の過去問題集を用いて繰り返し演習を行い、問題傾向と解答のコツをつかみましょう。
さらに、特A級やA級では高い英語運用能力と深い背景知識が求められるため、国連の公式サイトや専門的なレポートなどの関連書籍や資料を積極的に活用すると、より効果的に対策できます。勉強時間は特A級で半年~1年以上、A級で半年程度、B級以下でも2~4か月を目安にしましょう。
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国連英検対策におすすめのテキスト
国連英検過去問題集

公益財団法人日本国際連合協会が編著した公式の過去問題集は、各級(特A級~E級)ごとに発行されています。2021・2022年度実施分では、実際の試験問題と解答・解説が収録されており、試験形式や出題傾向を把握するのに最適です。
新わかりやすい国連の活動と世界
国連英検の指定テキストであり、国連の組織や活動、国際問題についてわかりやすく解説されています。特に特A級やA級では、国連に関する知識が問われるため、このテキストで基礎知識を固めることが重要です。受験者からも「内容充実でわかりやすい」と高評価を得ています。
国連英検特A級・A級対策

特A級・A級の受験者向けに、筆記試験や面接試験の対策を網羅した参考書です。エッセイライティングやスピーキングの練習問題が豊富に掲載されており、実践的な対策が可能です。
国連英検の対策には、公式の過去問題集で試験形式に慣れることが第一歩です。加えて、国連の活動や国際問題に関する知識を深めるために、『新わかりやすい国連の活動と世界』などの指定テキストを活用しましょう。特A級・A級を目指す方は、エッセイや面接対策に特化した参考書や、時事英単語集で語彙力を強化することが効果的です。
国連英検取得のメリット
国連英検を取得すると、語学力だけでなく国際問題や世界情勢への理解力をアピールできます。特に外資系企業や外交官、国際機関でのキャリアを目指す方には、高度な英語運用能力と時事問題への関心を証明する手段として、就職や転職時に高く評価されます。また、大学入試の推薦入試やAO入試で加点対象になることもあり、進学面でも有利になります。グローバル化が進む中、将来の可能性を広げる資格として人気を集めています。
受験前に知っておきたいQ&A
まとめ|国連英検は国際社会で活躍するための強力な武器!
国連英検は英語力だけでなく、国際問題や世界情勢への理解度も証明できる資格です。取得すれば外資系企業や外交官、国際機関への就職・転職に有利で、大学入試の推薦入試やAO入試でも評価される可能性があります。級によって難易度が大きく異なりますが、過去問題集や公式テキストを活用した対策で効率よく準備できます。グローバルなキャリアを目指す人にとって、取得して損のない資格と言えるでしょう。