
英語力を証明する試験にはさまざまな種類がありますが、近年注目されているのがケンブリッジ大学が提供する「Linguaskill Business」です。特に、ビジネスシーンに特化したこの試験は、企業や大学でも導入が進み、実務に必要な英語力を正確に測るツールとして評価されています。
一方で、「Linguaskill Businessって難しいの?」「TOEICと比べてどれくらいのレベル?」といった疑問を持つ方も少なくありません。この記事では、Linguaskill Businessのスコアごとのレベル感や、他の英語試験との違いを詳しく解説し、あなたにとって最適な試験かどうかを判断する材料を提供します。
Linguaskill Businessの概要
当サイト独自の見解です
資格種別 | 語学・英語検定 |
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ジャンル | ビジネス英語/英語スキル評価 |
資格区分 | スコア型(合否なし・結果はスコアで表示) |
受験資格 | 年齢・職業・学歴などの制限なし(誰でも受験可能) |
試験日程 | 随時(会場や実施団体により異なる。予約制のため事前確認が必要) |
試験方法 | オンライン実施(AIによるアダプティブテスト)※会場/自宅のいずれでも可 |
免除科目 | なし(すべてのセクションが対象:R&L、W、S) |
試験場所 | 認定テストセンターまたは自宅(オンライン受験可) |
受験料 | 実施機関により異なる(目安:1セクション4,000円〜、3技能合計約12,000円前後) |
登録・更新 | 登録・更新制度なし(スコアは有効期限なし。ただし企業側が2年以内を条件とする場合あり) |
問い合わせ先 | 公益財団法人 日本英語検定協会 |
Linguaskill Businessの概要と試験形式
Linguaskill Businessは、ケンブリッジ大学英語検定機構(Cambridge Assessment English)が提供する、ビジネス英語に特化したスコア型英語テストです。主に企業や教育機関向けに設計されており、グローバルなビジネスシーンで通用する英語力を測定することを目的としています。
試験はオンラインで実施され、AI技術を用いた**アダプティブテスト(適応型出題)**が特徴です。受験者の回答に応じて問題の難易度がリアルタイムで変化し、より正確な英語力の測定が可能です。
Linguaskillは大きく3つのセクションに分かれています。
- Reading & Listening(読解・リスニング):自動的に出題され、所要時間は60〜85分。CEFRレベル(A1〜C1以上)でスコア表示。
- Writing(ライティング):約45分。タイピング形式で英作文(Eメール、短文説明など)を作成。AIによって自動採点。
- Speaking(スピーキング):約15分。音声を使って受け答えを録音し、AIで評価。
各セクションは独立して受験可能で、自分に必要な技能だけを選んで受けることもできます。結果は24〜48時間以内にスコアレポートとして提供され、CEFR基準に基づいたスコアで評価されるのが特徴です。
スコア別に見るLinguaskill Businessの難易度
Linguaskill BusinessのスコアはCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)に準拠しており、最小82点〜最大250点の範囲で評価されます。点数によってA1(初級)〜C1以上(上級)まで、英語力の実用レベルを正確に把握できます。以下では、スコア帯ごとに想定される英語力や他試験との換算目安、難易度の印象を詳しく解説します。
スコア82〜119:CEFR A1〜A2相当|入門〜初級
このレベルは、ごく基本的なビジネス英語に限られる入門者向けです。簡単な自己紹介、定型的なメールのやり取りなどは可能ですが、実務での使用はかなり限定的です。
- TOEIC換算目安:〜400点程度
- 特徴:ゆっくりとした会話でも内容を取り違える可能性が高い。短文しか書けない。
- 難易度印象:英語に慣れていない方はこのあたりのスコアにとどまる傾向。
スコア120〜159:CEFR B1未満〜B1相当|初中級〜中級
実務での利用を始めるにはやや不安が残るものの、基本的なビジネス英語はこなせる水準です。定型文メール、電話応対、会議資料の読解などに対応できます。
- TOEIC換算目安:400〜600点
- 特徴:ある程度スムーズにやり取りができるが、複雑な会話には不安あり。
- 難易度印象:日常英会話よりもビジネス語彙の対応力が求められ、TOEIC中級者でも苦戦する場合あり。
スコア160〜179:CEFR B1〜B2相当|中級〜中上級
このスコア帯は、多くの外資系企業が求める最低ラインに該当します。英文ビジネスメールの作成や、資料の読解、会議での発言も可能なレベルです。
- TOEIC換算目安:600〜750点
- 特徴:ある程度複雑な表現も理解できる。自信を持って会話に臨めるレベル。
- 難易度印象:TOEIC高得点者でも、スピーキング・ライティングの自動評価には注意が必要。
スコア180〜199:CEFR B2相当|中上級〜上級
このレベルは、グローバルビジネスで自立して英語を使いこなせるレベルです。ネイティブとのやり取りや、英語でのプレゼン・交渉も現実的にこなせる範囲。
- TOEIC換算目安:750〜900点前後
- 特徴:論理的な表現が可能。表現力・語彙ともに十分。
- 難易度印象:リスニング・スピーキングで一貫性のある発話が求められ、英語学習歴が長くても油断は禁物。
スコア200〜250:CEFR C1以上|上級〜最上級
このスコア帯は、ネイティブに近いレベルでビジネス英語を使いこなせる最上級者向けです。国際会議や高度なプレゼン、議論にも対応できる力があると評価されます。
- TOEIC換算目安:900〜990点超/IELTS7.0〜8.0相当
- 特徴:抽象的な概念、皮肉、婉曲表現なども理解・運用可能。
- 難易度印象:TOEIC満点者でも、実際にこのスコアを取るのは難しい。特にSpeakingとWritingの完成度がカギ。
Linguaskill Businessは、スコアが細かく分かれており、自分の英語力を客観的に測るのに非常に有効な試験です。特に実務に即した語彙やタスク処理能力が問われるため、TOEICと同じスコア帯でも“難しく感じる”人が多いのが特徴です。スコア帯を意識した学習計画を立てることで、効率よくレベルアップを目指せるでしょう。
Linguaskill Business 他試験とのスコア・難易度比較表
CEFRレベル | Linguaskill Business | TOEIC(L&R) | IELTS | 英検 | 難易度の目安・特徴 |
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C1以上 | 200〜250 | 900〜990 | 7.0〜8.0 | 1級 | 高度なビジネス英語。英語での交渉・プレゼンも可能 |
B2 | 180〜199 | 700〜890 | 5.5〜6.5 | 準1級 | 実務英語に十分対応。非ネイティブでも高い英語運用力を証明 |
B1 | 140〜179 | 500〜690 | 4.0〜5.0 | 2級 | メール・資料読解・簡単な会話など、基本的なビジネス英語に対応 |
A2 | 120〜139 | 350〜490 | 3.0〜3.5 | 準2級 | 簡単な会話や定型文の理解が可能だが、実務使用は限定的 |
A1 | 82〜119 | 〜350 | 2.0〜2.5 | 3級以下 | 英語初学者向け。自己紹介や定型的表現がやっと |
- TOEICはスピーキングやライティングが含まれないため、実際のコミュニケーション力ではLinguaskillの方が精密な評価になります。
- IELTSはアカデミック寄りの試験であり、ビジネス英語とは用途がやや異なります。
- 英検は日本特有の試験であり、CEFR換算には幅があります。
難易度を正しく理解するための注意点
Linguaskill Businessの難易度を判断する際は、**他の英語試験とは異なる“出題形式”や“評価方法”**に注意が必要です。表面的なスコアだけで判断せず、以下のポイントを理解しておくと、自分に合った対策がしやすくなります。
まず、LinguaskillはAIによるアダプティブ(適応型)出題形式を採用しており、問題の難易度は解答に応じてリアルタイムで変化します。解答が正確であればあるほど難しい問題が出されるため、「手応えがない」と感じても実は高スコアになることがあります。
また、WritingやSpeakingもAIによる自動採点が行われるため、単語の正確性や文法、論理の一貫性などが機械的に評価されます。たとえば、TOEICでは高得点を取れても、Linguaskillでは文構成や語彙の使い方が弱いとスコアが伸び悩むケースがあります。
さらに、Linguaskill Businessはビジネス英語に特化しているため、一般英語では通じる表現が評価されにくいこともあります。実務で使われる定型表現、丁寧な依頼表現、社内外の文脈理解など、ビジネスシーンに即したスキルが重要です。
このように、試験の仕組みを理解しないまま受験すると、「思ったより難しかった」「スコアが納得できない」という結果になりかねません。難易度を正しく捉えるためにも、形式に慣れた上で、自分の弱点に応じた対策を行うことが不可欠です。
スコアを上げるための対策と学習法
Linguaskill Businessで高スコアを目指すには、各技能に応じた具体的な対策が不可欠です。
TOEICや英検とは異なり、LinguaskillはAIによって出Linguaskill Businessで高スコアを目指すには、技能別の対策が効果的です。
Reading & Listeningはアダプティブ形式のため、幅広いビジネス語彙と文脈理解力が重要。Writingでは論理的構成と文法の正確性、タイピング速度も評価対象です。
Speakingは録音式で、自信を持って「意見→理由→例」の型で話す練習が効果的です。いずれも実務英語の形式に慣れ、模擬試験で形式や時間感覚に慣れておくことが、スコアアップの鍵となります。
どんな人に向いている?難易度に対する適正評価
Linguaskill Businessは、実践的なビジネス英語力を測る試験であり、日常英会話ではなく業務での活用を想定する人に向いています。特に、外資系企業への就職・転職を目指す人、社内で英語を使う部署に配属される予定のある人には適しています。また、CEFR基準で客観的にスコアが出るため、スピーキングやライティング力も正確に評価されたい人には最適な試験です。
一方で、語彙や出題内容はTOEICより専門的であり、英語の「実務運用力」が問われるため、学習歴はあるが実践経験が少ない人には難しく感じられることもあります。スコアだけでなく目的に合った試験選びが重要です。
まとめ|Linguaskill Businessは「実践英語力」を測る高精度テスト
Linguaskill Businessは、TOEICや英検とは異なり、ビジネス現場で本当に使える英語力を評価する試験です。AIによるアダプティブ出題や自動採点により、CEFR基準で正確なスコアが算出されます。
スコアごとの難易度は幅広く、特にWritingやSpeakingでは論理性や構成力が問われるため、単なる暗記型試験よりも高難度に感じることもあります。ただし、出題形式に慣れ、実務的な英語力を強化することで十分にスコアアップが可能です。
自身の目的やスキルに合った試験かどうかを見極め、Linguaskillをキャリアアップの武器にできるかをぜひ検討してみてください。