TEAP試験は難しい?各技能ごとの難易度を分析

大学入試改革に伴い、英語4技能(読む・聞く・話す・書く)のバランスを測る試験として注目を集めているのが「TEAP(Test of English for Academic Purposes)」です。

私立大学を中心に、多くの学校がTEAPのスコアを活用しており、高校生にとっては新たなチャレンジとなる試験です。しかし、「TEAPってどれくらい難しいの?」「どの技能が難しいの?」と疑問に感じている人も多いのではないでしょうか。

本記事では、TEAPの各技能に焦点を当てながら、その難易度を詳しく解説していきます。

目次
人気
なし
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ある
就・転職
使えない
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使える
試験難易度
易しい
1
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3
4
5
難しい
主な対象者
小中学生
高校生
大学専門
社会人
その他

当サイト独自の見解です

資格種別語学検定試験(大学入試対応)
ジャンル英語4技能試験
資格区分民間資格(日本英語検定協会と上智大学が共同開発)
受験資格原則高校生(特に大学受験を控えた生徒)
試験日程年2回(7月・11月前後) ※年度により異なる
試験方法筆記(Reading/Writing)、リスニング、スピーキング(対面または録音)
免除科目なし(4技能全て受験または2技能選択)
試験場所全国の主要都市(会場は申込時に指定)
受験料4技能:15,000円前後、2技能:10,000円前後(※変更の可能性あり)
登録・更新資格ではなくスコア形式のため更新不要
問い合わせ先日本英語検定協会(TEAP専用ページあり)

TEAP(Test of English for Academic Purposes)は、公益財団法人日本英語検定協会と上智大学が共同開発した、大学教育に必要な英語力を測ることを目的とした試験です。大学入試改革の一環として、4技能(読む・聞く・話す・書く)をバランスよく評価できる試験が求められる中で誕生し、特に私立大学の推薦・総合型選抜などでスコア提出が活用されています。

TEAPには「4技能型(Reading・Listening・Writing・Speaking)」と「2技能型(Reading・Listening)」の2種類があり、受験者は目的に応じて選択できます。特に4技能型は、アカデミックな英語力を幅広く測定することを意識して設計されており、各セクションの難易度も実用的で実践的な内容が多いのが特徴です。

試験は原則として年2回(7月・11月)に全国の指定会場で実施され、スコアはCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)に基づいて評価されます。おおよその目安として、英検2級〜準1級、CEFRで言えばB1〜B2レベルをターゲットとした設計になっています。

一般的な英語資格試験とは異なり、TEAPは「大学での学術活動に耐えうる英語力」を測ることを重視しており、設問も大学生活を模した場面設定が多い点が特徴です。したがって、単なる日常英会話力ではなく、読解力や論理的思考を要する問題が多く出題されます。

一般的な英語資格試験に比べてアカデミックな内容が多く含まれます。特に、各技能ごとに特徴的な難しさがあり、受験者にとってのハードルも異なります。以下では、4技能それぞれの難易度を詳しく見ていきます。

Reading(読む)

TEAPのリーディングは、語彙・文構造のレベルが高く、アカデミックな長文読解が中心です。内容も実在する論文形式や大学生活を想定したレポート、講義の要約などが多く、単なる読解スピードだけでなく、情報処理能力・要約力も求められます。英検で言えば準1級に近い難易度とされ、文法の理解だけでなく「主張と根拠の構造を読み解く力」が不可欠です。

Listening(聞く)

TEAPのリスニングは、試験全体の中では比較的取り組みやすいと言われますが、それでも簡単ではありません。話者は明瞭な英語を話しますが、内容は大学生活に関連した場面や、講義形式の説明など、やや長めで複雑な構成となっています。設問の先読みとメモ取りの技術が得点の鍵を握ります。英検2級〜準1級の中間程度といった印象です。

Writing(書く)

ライティングは、TEAPの中で最も難しいとされるセクションです。与えられた資料や意見に対して、自分の立場を明確にしつつ論理的に英文を書く必要があります。単語や文法の正確さに加え、構成力・一貫性・根拠の提示が強く求められるため、単純な英作文とは異なる高度な技術が必要です。時間制限も厳しく、練習なしでは高得点を狙うのは困難です。

Speaking(話す)

スピーキングでは、録音または対面形式でのインタビューにより、自分の意見を即興で伝える力が問われます。質問に対して理由や具体例を添えて話す力が重視され、文法や発音よりも「一貫した論理性」が評価される傾向にあります。慣れない受験者にとっては緊張しやすい形式でもあり、内容をまとめる力と表現力の両方が問われます。

難易度まとめ

TEAPは、英検やTOEICのような一般的な試験よりも「大学生活で使える英語力」に重きを置いているため、単なる暗記型の対策では通用しません。4技能のバランスが必要であり、とくにReadingとWritingに強い対策が求められる点で、難易度は英検準1級に近いか、セクションによってはそれ以上と評価されています。

TEAPは「合格・不合格」ではなくスコア型の試験ですが、大学入試に活用される以上、一定のスコア基準を満たす必要があります。大学によって求められるスコアは異なるものの、多くの推薦・総合型選抜では総合スコア300〜320点以上(満点400)がひとつの目安となっています。

このスコアを目指すには、以下のような英語力が求められます。

英検2級をしっかり取れていることが前提

TEAPの問題形式は英検とは異なるものの、必要とされる語彙レベルや文法理解の基礎力は英検2級合格レベルが最低ラインです。ただし、2級を取得していても、TEAP特有の「論理的思考」や「情報処理能力」が不足していると、特にライティングやリーディングで伸び悩むことがあります。


高校2〜3年生が中心の受験者層

TEAPは主に大学入試目的で使われるため、受験者の多くは高校2〜3年生です。特に「総合型選抜」「公募推薦」「一部の一般入試(スコア提出型)」での活用を想定し、高校英語に加えてアカデミック英語の対策も必要になります。高校の英語授業内でTEAP対策を実施している学校も増えてきましたが、学校任せでは足りないケースも多く、自主学習がカギです。


各技能のバランスも求められる

例えば、リーディングとライティングが得意でも、スピーキングで極端に低いスコアを取ってしまうと、トータルで評価されにくいことがあります。特に4技能型を受験する場合は、「苦手な技能を捨てる」という戦略が通用しづらいため、まんべんなく鍛えることが重要です。


大学の要求スコアとのギャップに注意

TEAPをスコア提出に採用している大学(例:上智、ICU、青山学院、立教など)では、各技能に最低スコアを設けている場合もあります。そのため、全体で300点を超えていても、「リーディングだけが60点で不合格」となることも。志望校がTEAPスコアをどのように評価しているかを事前に確認することが大切です。

Reading(読む)

  • 長文対策に特化した演習が必須。内容は大学生活や学術記事が題材。
  • 要約力・情報処理力を鍛えるには、「段落の主旨をまとめる訓練」がおすすめ。
  • 時間配分も厳しいため、過去問や模試形式で実戦演習を積む。

Listening(聞く)

  • アカデミックな話題を含むため、TED Talksや大学講義のリスニングで耳を慣らすとよい。
  • ノートテイキングの練習を取り入れ、要点を拾う力を強化
  • 設問の先読み練習で、聞くべきポイントを意識する。

Writing(書く)

  • 論理的な構成(主張 → 理由 → 具体例 → 結論)を意識した英文ライティングを繰り返す。
  • 模範解答を分析して、使える表現や構成パターンをストックする。
  • 添削サービスや学校の先生のフィードバックも積極的に活用。

Speaking(話す)

  • 質問に即興で答える練習をするため、録音・録画して自己評価すると効果的。
  • 「理由・具体例を交えて話す」というTEAP特有の形式に慣れる。
  • 英語でのディスカッションや意見交換の経験も積んでおきたい。

実際の出題傾向を反映し、4技能をバランスよく対策できる内容です。

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  • 対象レベル:英検2級程度からライティング・スピーキング強化を目指す高校生。

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  • 対象レベル:高校2〜3年生、スコア300点以上を目指す人に。

TEAPは、もともと大学入試を目的として開発された試験であり、進学には非常に有利です。多くの私立大学(上智大学、ICU、立教大学など)では、総合型選抜や推薦入試においてTEAPスコアの提出を認めており、一定以上のスコアを取得していれば「英語試験免除」や「加点対象」となるケースもあります。

また、一部の大学では一般入試においても英語の試験をTEAPに置き換えることができる制度を導入しており、特に英語が得意な受験生にとっては大きな武器となります。

一方で、就職におけるTEAPスコアの評価は限定的です。TEAPは「大学教育に対応したアカデミックな英語力」を測る試験であり、TOEICや英検のように企業の採用試験や履歴書で一般的に評価されるものではありません。

就職活動で英語力をアピールしたい場合は、TOEIC(600点以上)や英検準1級・1級などの実績の方が通用しやすいでしょう。TEAPのスコアも記載は可能ですが、「評価されるかどうかは企業次第」と考えておくのが現実的です。

TEAPに「合格・不合格」はありますか?

いいえ、TEAPはスコア型の試験であり、合否の概念はありません。受験者には各技能ごとに0〜100点のスコア(最大400点)が与えられ、大学によっては「各技能で60点以上」「合計300点以上」などの基準を設けています。

どれくらいの勉強期間が必要ですか?

英検2級程度の英語力がある高校生であれば、約3〜6か月の集中対策でTEAPスコア300点以上を目指すことは可能です。ただし、ライティングやスピーキングの対策に時間がかかるため、早めの準備が重要です。

TOEICや英検と併願できますか?

はい、併願は可能です。ただし、大学によっては「TEAPのみ提出可」としているところもあるため、志望校の出願要件を事前に確認してください。TEAPは「大学入試向けに最適化された試験」という点で他試験とは位置づけが異なります。

Speakingテストは緊張しやすくて不安です。コツはありますか?

回答の構成を意識すること(主張→理由→具体例)が最大のポイントです。暗記英語ではなく、「自分の考えを伝える」姿勢が重視されます。録音して自己評価したり、練習相手と模擬面接をするのがおすすめです。

スコアの有効期限はありますか?

TEAPスコア自体には有効期限はありませんが、大学入試においては「試験日から2年以内」などの条件が設定されていることが一般的です。出願時に使用可能か、最新の大学要項で確認しましょう。

TEAPは、大学入試を目的に設計された英語4技能試験であり、特にリーディングやライティングに高い難易度が見られます。スコア型の評価形式のため、自分の弱点を把握し、バランスよく対策を進めることが重要です。進学には大きな武器となる一方、就職での評価は限定的です。目標スコアに応じた計画的な学習と、TEAP特有の設問形式への慣れが合格への近道です。

資格を広めてくれると嬉しいです☆彡
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